ロマンアルバム11『さらば宇宙戦艦ヤマト-愛の戦士たち』 捨吉さんより

●『古代進』

古代進を前作より少し大人にしようと思って、話し方に落ちつきをもたせたつもりです。

台本設定より、いくぶんおとなになっているはずですが、ボクはそれでよかった、と思っているんです。
古代を特別な青年、選ばれたというふうには、ボクは考えてないんです。
どこにでもいる、ふつうの青年です。とても正義感が強く、情熱的で、カッコいいんだけど、それでいて、そそっかしいところがあって、それがまた人間味を感じさせてくれるんですね。愛される平凡な青年です。

古代は死にますが、ボクは前からそれが自然だと思っていただけに、彼の死には驚かなかったですね。


ロマンアルバム15『UFOロボ グレンダイザー』捨吉さんより

●『デュークフリード・宇門大介』

「グレンダイザー」は、私が初めて二枚目をやった、忘れられない作品なんです。
もっともその前に「タイガーマスク」で二枚目やってますけど、いわゆるメカものの二枚目っていうのは初めてだったんです。作品としても、ずっと大人っぽいですしね。

 あのときのデュークフリードっていうのは、フリード星の王子なんです。それで宇門大介っていうのは、ほんとは地球人じゃないんだけど、まあ地球人なわけです。それでその二つを微妙にわけなきゃならない。
そこのところが苦労したっていうか、やりがいがあるところでしたね。

 宇門大介っていうのは、ちょっと影のある孤独な青年なんですね。ニヒルっていうんじゃないんですけど、フリード星の王子として使命があるわけです。
それで、石丸さんのやった兜甲児っていうのは、バタバタギャーギャー元気はつらつの性格なもんですから、私のほうはどっちかというとおさえ役、にいさんて感じでおさえていくわけです。
そのあたりが、私が主役だっていっても、いがいと甲児のほうが人気があるようでしたね。
やっぱり、ちょっと冷たいと思われたんでしょうね。

 あの作品はいまから思うとふしぎなほどチームワークのいいアニメでしたね。よく酒のんだんですよ。「反省会」と称してね。それであそこはどうだったとかああだったとか、仕事が終わってリラックスした場ですから、まあ、いろんなことをしゃべりましたよ。あれはめずらしいことでしたね。


ロマンアルバム『タイガーマスク』3月 タイガーマスクファンのMさんより

●声優インタビュー

富山敬 タイガーマスク・伊達直人

病気のために、森功至さんと交代し、回復後、復帰---というアクシデントのあった番組でした。レギュラーの途中で倒れたのは、あとにも先にもこれっきりで、皆さんにご迷惑をかけたと思っています。

技術的には、声の使い分けに注意しました。伊達直人は、人間らしい人間、おっちょこちょいで二枚目半ということから、高めでやや軽い感じの声。タイガーマスクに変身したあとは、スーパーマンとしての強さを強調し、低めの重々しい声、というふうにね。

それから、これはナイショの話ですが、一度、大遅刻をしたことがあるんです。朝が早かったもんでね。この時には、途中でバナナやミカンなど沢山買って、みんなに謝ったものです。


森功至(31話〜39話代役)

タイガーマスクのアフレコオーディションに、富山さんと最後まで残ったことと、同じプロダクションに所属していたよしみで、代役をやらせていただきました。

富山さんのイメージを壊さず、なおかつ、まねしすぎることによる不自然な調子が出ないように苦労しました。

でもこんな技術的問題よりも、芸達者で、よく人柄も知っている富山さんのあとをやっているという精神的重荷の方がつらかったなぁ・・・。