別冊てれびくん5『宇宙戦艦ヤマト2』 捨吉さんより

●『古代進』

「宇宙戦艦ヤマト2」はPART1の時代から2年後という設定でした。そのため、古代進も、ちゃんと2年分歳をとっていて、20歳になっていたんですね。ですから、声の出し方などは、PART1にくらべると、ずいぶん。楽だったと思います。ほとんど地のままでいいのですから…。つまり"少年"ということを、意識しないでできたわけです。

その点では、「さらば―」も同じわけですが、ただ最後のシーンが違うでしょう。僕としては、「さらば―」のラストの方が、ドラマチックだとは思うんですが、古代進と雪を死なせたくはないといった気持ちはありましたね。松本零士先生も「若者は死ぬべきじゃない」といわれたそうですけど、そういった意味では、PART2は良いラストだったと思います。

長い間、「ヤマト」で古代進という一人の人物を演じてくると、やはり彼の成長に気がつきますし、その点を注意しながらやってきたつもりです。
―PART1なら、こんないい方はしないだろうな―と思ったこともありますね。やはり、キャラクターが生きていて、成長したということかな…。

それと、これは大切な事だと思うんですが、「ヤマト」をやってきて"戦争の恐ろしさ"に気づいたんです。アニメの世界であれ、現実の世界であれ、人が人を殺すというのは、本当に悲しいことですし、やってはいけないことなんです。それを再認識させられました。これはファンの皆さんにも、わかって欲しいですね。