記事録4-2


■気の毒だったデスラーと司令長官の2役

司会:今度はヤマトのパート3ですね。皆さんとしては、どのようなストーリーをお望みですか?
仲村:大人も納得できるストーリーでやれるなら、こんな良いことはないですね。
伊武:こんな話はどう?ヤマトより素晴らしい愛の国があって、ヤマトは悪者にされちゃうの(笑)
仲村:半村良的宇宙観!(笑)
富山:僕は『さらば』のラストも好きなんで、あのまま終わってもいいとも思うしなぁ
仲村:もう少し乗組員の人間関係を描いて欲しい。あんな小さな艦の中にいるんだから、トラブルなんかも起こると思うし、ギャグも佐渡先生とアナライザーだけでなく、数多く採り入れたらいいんじゃないかな。そうすれば奥行きも出るし。だってせっかくいいキャラクターが揃っているんだものね。
伊武:また思いついた(笑)。ヤマトを孤独にしちゃうの。地球ではヤマトを受け入れないとか---古代なんかお爺さんになっちゃう頃で、若い世代はヤマトの戦いを評価しないんだ。
富山:おもしろいね。
仲村:伊武君、プロデューサーをやったら?!(笑)
伊武:主役の方がいいな。たまには差し入れのくるような役をやりたいよ(笑」
富山:交替したりして-----。
仲村:それは新鮮だ!(笑)
麻上:ファンが目を回しちゃうわ。

司会:そういう麻上さんは、何かこうして欲しいというところはありませんか?
麻上:あります。森雪って凄く存在感が薄いのね。一見目立っているようだけど、それはヤマトの唯一の女性というだけでしょう。だからユキをもう少し描いてくれないかしら。だっていつも死んだり生き返ったり。都合によって生死が決められているみたいで(笑)
富山:確かに人間臭さが少ない気がするな。森雪というキャラクターは。
麻上:女として、いえ、人間として、ユキを描いて下さい(笑)
仲村:パート1の時みたいな感じがいいよ。
伊武:パート1は、特に“受け”を狙わなかったじゃない。やりたいことをやってた感じがするよ。
富山:うん。無邪気に作っていた----というところかな。とにかく楽しんで作っていたと思うよ。
伊武:でも僕は、楽しむどころじゃなかった。第1話から第4話までは、司令長官とナレーション、その後は司令長官とデスラーの2役だったもの。
富山:あれ、ナレーションもやってたっけ?
伊武:ええ、だって全然デスラーが出てこないから(笑)
仲村:長官とデスラーの2役とは、気の毒に。難しいよな、ああいうのは。
富山:伊武ちゃんは、本当に役者って感じだな。その気の毒な状態でも楽しそうだったもの。
伊武:なんでも楽しくやりたいものね。
麻上:とにかく新鮮な設定が欲しいですね。パート1の時なんかも、ワープなんか、凄く新鮮に感じたもの。
富山:パート1を越えて欲しいな。


■ファンの熱気!!

富山:僕のファンだという人達は、ヤマトのファンが多いですね。
麻上:私もはじめは森雪のファンがほとんどでしたね。その後は古代君ファンも増えてきたみたい。“私の好きな古代君の恋人だから”って(笑)
富山:デスラーファンと島ファンも多いんじゃない。
伊武:古代君ほどでは・・・(笑)
そうだ、デスラーファンに凄いのがいたよ。実は先日、ある私鉄の駅で電車を待っていたんだけど、大学生らしい人が2人、大声で議論しているわけ。

富山:それがデスラーの話?
伊武:そう。“だからあの時のデスラーの心情は----”とか、もう熱烈なんだよね(笑)。文学論か政治論みたい(笑)
仲村:その時サッと立ち上がって、“僕がデスラーです”って言えばよかったのに(笑)
伊武:と、とんでもない。実は僕、その時は飲んでたもんで、あまりにもイメージ崩しちゃう(笑)
麻上:でもかなり年上のファンの人って多いみたいですよ。
仲村:例えば僕のセリフに“ヨーソロー”ってのがあるだろう。あれは昔海軍にいた人に聞いて、正式な発音でやったんだ。そうしたら凄い反響があった。
伊武:考えてみると、パート1の頃からヤマトのファンは熱心だったね。
麻上:よくスタジオに見学に来てたもの。
富山:確かパート1の最終回のアフレコの時は凄かったよ。30人ぐらいいたんじゃない?
伊武:いや、40人から50人はいたな。何しろ調整室やロビーに入りきれないんだから。
仲村:そういえばリーダーみたいな人がいて、初めて来た人達を案内していたよ。いわば場内整理係(笑)
麻上:そうそう、あなたはあっち、そこの君はここへ----なんて椅子に座らせてたわね。
伊武:とにかく僕たちのいるところまで、見学者で埋まっちゃった。マイクに声が入らないように見ててくれって言って、スタジオの中も急きょ見学席にしたね。
富山:僕たちのいる場所がなかったよ。
伊武:しかし緊張しましたよ。なんせマイクの前だけで喋るのと、お客がいるのとは違う。
仲村:"のり方"がね。
伊武:そうです。これは見てる人にもうけなくちゃと思って(笑)