ロマンアルバム54『宇宙戦艦ヤマト-PERFECT MANUAL2』  捨吉さんより

●『古代進』

『ヤマト』もとうとう10年になるんですね。改めてこの10年という年月を振り返ると、ああずいぶん長かったんだな、と思いますよ。
古代進というキャラを最初にいただいたときは、正直なところ少し不安でした。古代のように若いキャラの声ができるのかって。
それでも実際に声を出してみると、わりと自然に声が出るんですね。不思議でしたが、うれしかったです。

『ヤマト』の作品がつくられるごとに、古代進もまた成長してくるんです。戦闘隊長、艦長代理、艦長という具合に、少しずつ仕事ばかりでなく人間的にも成長していきます。
そうした古代に出逢えることが楽しみでしたね。まあ、声は変わりませんが…。

『ヤマト』という作品、いわばヤマトという船が主人公なんですね。その中で働く誰々というのではなく、広大で美しい宇宙に旅立つヤマトの姿が主人公だと思うんです。
ですから古代進や島大介たち乗組員は、ヤマトの血であり肉であるはずなんです。
その彼らの人間的な暖かさが、夜道を歩く旅人が遠くに明りを見つけたときのような安心感、やすらぎをヤマトに吹き込み、与えるのだと思います。
ですからヤマトという船はとても人間的になるんですね。その魅力が10年という歳月をきっと支えてきたんだよ僕は信じてます。

僕自身、一番強い印象に残っているのは、何といってもTV版の第1作目です。沖田艦長が地球を見ながら息絶えていくシーンは、いまでもはっきり焼きついてます。


ロマンアルバム56『宇宙戦艦ヤマト 完結編』  捨吉さんより

●『古代進』

「ヤマト』も10年目に入り、「完結編」では、ストーリも雰囲気も、スタートのパート1にわりと近いんですよね。
古代君もわき目も振らずにつき進む熱血漢というイメージだし、戦闘班長にももどったしね。フレッシュな感じが改めてしましたね。

やはり自分ではラストシーンが一番感激的に印象に残っています。
沖田艦長を残して全員がヤマトを退艦したとき、古代と雪だけがそれを知っていて、見送りながら涙がボロボロ出てきて止まらないんです。
ファイナルということもありキャストもみんなのっていたし、西崎さんともたいへん気持ちよく仕事ができた作品ですね。
それにこれで終わりだと思うと、重い任務を終えてほっとした気持ちと、二度と古代君にあえないのだという淋しさが一緒にオーバーラップして……やはり、淋しいですね。

最初のパート1を観た人たちが大人になって、まだ心の片隅に残っているのだとしたらうれしいですね。
「完結編」ということでスタッフ・キャスト全員で心をこめてつくった作品です。
「ヤマト」が終わっても、ファンの方々にはいつまでもアニメを観てもらい、そして愛し続けてほしいと思います。