富山敬さんが実際に使用された『銀河英雄伝説』の台本です。ご存知の方も多いでしょうけど、富山さんの役名は「ヤン・ウェンリー」。
「古代進」に並ぶ富山さんの代表的なキャラクターではないでしょうか。
ピックアップしたのは、ユリアンの初陣の回。
スパルタニアンで出撃したユリアンを心配するヤンと、彼を補佐する将来の奥様・フレデリカ。ロマンアルバムの富山さんのインタビューにはこう書かれています。
「ファンの方から『二枚目の主役をやって下さい』なんてお手紙をもらっている頃でした。
次々と若いかたが出てきて、新旧交代の時期でしたね。
最初は抵抗があったんですよ、若い役なので。
でも『大丈夫』と励まされて、恥ずかしながらやってしまったんですけど、ファンの方から『あの役は絶対富山さんです。ぴったりです』なんてお手紙をもらって、その気になっちゃってね。
嬉しかったですよ」
「ユリアンと二人でいるときに、結構本音を言うんですね、『戦うことなんてやめた方がいいんだ』なんてさとしたりね。
やはりほっとしました。そんなところにヤンの人間性を感じるんですね。
僕も戦中派ですから、いろいろと体験してきましたけど、ヤン自身もやはり戦争は嫌で、戦うことの虚しさをずっと痛感しながらも、仕方なく任務だから戦っている。
そういう意味では、相通ずるものがあるのかもしれません。
そんなこともあって、余計親しみやすいのかもしれませんね」
富山さんの最後の出演は、第3期・82話『魔術師、還らず』。
ヤンは暗殺者の銃弾に倒れて、かえらぬ人となってしまいます。
そしてヤン役を全うされたこの年・・・1995年9月、富山さんも・・・。